2018年08月14日

ヘルメットの話

長年の夢だった70年代のオフロードバイクも手に入り、今年の夏はデカい遠出をしようと行き先やルートを考えたりしてて、持ち物を考えてたら急にメットのことが気になり始めちゃいまして、メットももうちょいビンテっぽい雰囲気にしたいなと。
ビンテメットといえば以前、バハの80年代風カスタムを始めた時に買ったSHOEIのEX-5がありますが↓
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これはモロに80年代なので、1974年式のXLには似合わない。

そこでやはりジェッペルだっぺとなるわけでありまして、現在使用しているメットを観察↓
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単体で撮った写真が無かったので、いろいろ付属品がくっついてる状態ですが、これはずいぶん昔(90年代だったと思う)に近所のバイク用品店が店じまいする際に4,000円だか3,000円の激安価格で買ったダムトラックスのビンテ風ジェッペルです。
ちなみにジェッペルとは、顔以外がスッポリ隠れるタイプであるジェットヘルメットの略称です(しかしなんでジェットって言うんだろ?やっぱ戦闘機乗りのヘルメットから来てるのかな?)。
リムの幅やステッチはなかなかビンテっぽいんですが、テカテカブラックの帽体はせっかくの幅広リムが見えにくくてパッとしません。

このメットを買った当初は「リムのステッチがビンテっぽくていいね…ていうか安!」くらいにしか思ってなかったんですが、後々ビンテージ物をあれこれ調べていく内に、1960年代のヒロタケアライのR-1というメットを知って「これが元ネタか?」と思いました↓
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やはりリアルビンテ物はめちゃくちゃカッコいい(画像は拾い物です)。
ちなみにヒロタケアライ(HA)というのは現在のアライヘルメットの昔の社名「新井広武商店」のこと。海外での呼び方なのかな?
以前SHOEI EX-5を買った時の検索でも何件か見つけて惚れ惚れしてたんですが、その時は80年代らしいフルフェイスを買うつもりだったし、R-1はなんせ高額なので買うまでには至りませんでした(現時点で安くても5万円前後はします。程度の良い物なら10万近くするかも)。

このR-1の何がカッコいいのかというと、ベルトが今のヘルメットにはない形で、これが最高にイカしてるんです。
タイムリーな話、現在TVK(テレビ神奈川)で放映中の「帰ってきたウルトラマン」に登場するMAT隊員たちがかぶってるヘルメットのベースがR-1なんですが、動画で見るとさらにそのカッコよさにシビレます↓
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太い革巻きリムももちろんですが、こめかみあたりから首の後までスッポリとカバーする形の革ベルトが特にカッコいい!
真夏は暑そうな気もしますが、そんなことはどうでもいい。カッコ良ければ全て良し。武士は食わねど高楊枝。

でもこんなレアで高価なヘルメットを買うほどの余裕は無いので、現在使ってるジェッペルのビンテっぽさを向上させることにしました。
さすがに特殊な形状の革ベルトは作ってる暇がないのでこれは置いといて、とりあえず色だけでも変えてみようということに。

内装の取り外しとステッチを解く作業↓
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メットの塗装は内装外さなくてもリムだけ剥がしてマスキングすれば簡単に塗れるんですが、今回のリムはステッチで縫い付けてあるので、これをバラすために内装も外さないといけません。
近年のヘルメットは帽体に発泡スチロール内装が接着されているのがほとんどなので、最初バラす時に少し苦労しますが、デカいマイナスドライバーとかタイヤレバー等でバリバリ剥がして、内装を壊さず取り外しに成功すれば、その後の脱着は比較的簡単にできるようになります(安全性に影響あるかと思いますので自己責任で)。
このメットは購入当初、内装の形状を自分の頭形状に合わせる加工をするためにバラしていたので、内装は簡単に外せます。
リムを縫い付けている糸…というかヒモはかなり太くてちょっとやそっとじゃ劣化しなさそうな、恐らくナイロンだと思いますが、蝋引きまでされているのか少しペタペタした手触り。
切らないとダメかと思いましたが、やってみたら切らずに簡単に解くことができました。
一応、代用となる糸を手芸屋に探しに行ったもののやはり売ってない(革工芸用品店だったらあったのかなぁ)ので、その手芸屋で一番太くて強そうな糸を買ってきましたが、とりあえず今解いたオリジナルのヒモも切断せずに取っておきます。

内装の発泡スチロールにはチェックシールみたいなものが貼ってありました↓
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96年の4月30日とあります。やっぱりこれ買ったのは90年代後半ですね。
文字からして台湾製のようです。
中国製品はなにかと不安ですが、台湾製なら安心感があります(台湾製品は質が高いものが多いと思う)。
まぁバラしたり改造してる時点で安心もクソも無いですが…。

リムを剥がしてみると、裏にはボリューム感を出すためと思われる薄いスポンジと粘着テープ部分もあって、組付けしやすくなってました↓
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結構な年月使ってましたが、意外と劣化してません。
リムの材質は残念ながらフェイクレザーです。

内装とリムを外した状態↓
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こうして見ると思いの外テカテカ度合いが高かったんだなぁとしみじみ。

スナップファスナー(バイザー等をバチンと止めるホック)も外してペーパーがけ↓
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スナップファスナーはカシメで取り付けてあるので、裏からダイヤモンドカッターを付けたリューターでカシメ部分を切削して取り外しました。
帽体表面を研磨してみると、白い粉が出てきて「これちゃんとクリア吹いてたんだ!」とビックリ。
というのも、自分でツヤ黒塗装するんだったらウレタン黒だけで済ましちゃうから。
それだけで十分なツヤが出ると思うんですが、まさかマジメにクリアまで吹いてるとは、なかなか上質な塗装してたんすね…。

塗膜には深い傷が2箇所くらいしかなかったので、細かい傷消しと足付け程度の研磨で終わらせました↓
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この方が塗料の食いつきも良かろう。

食いつきという意味では、このままサーフェーサー無しで本塗装しても大丈夫そうな気もしますが、今回塗る色はいかにもビンテージっぽいアイボリーにしたので、明るい下地吹いとかないと発色悪くなる、というわけでサフ吹きします↓
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使用した塗料はいつも使ってるグレーのサフではなく白サフ↓
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しかも缶スプレーではなく缶入りでエアブラシを使うタイプだったので、うすめ液として専用シンナーも購入。
購入は毎度おなじみ「ぺいんとわーくす」さんにて。
この下地塗料はかなりの速乾性と硬質な塗膜を発揮するのでかなり扱いやすいんですが、有害な成分もふんだんに含有しています。
一昔前まではオートバックスとかでも売ってるソフト99サーフェーサーもこれと同じような成分だったんですが、やはり有害性からかいつしか成分変更されて非常に扱いにくいサフ(乾燥が遅い上に塗膜に弾力が残る)になってしまって使わなくなった、なんてこともありました。
上塗り塗料なら弾力があってもそんなに困ることはないんですが、サーフェーサーとしては傷や凹みを消すための精度の高い研磨ができないというのは致命的でした。

そしていよいよ本塗り。使う塗料はコレ↓
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これは近所のホムセン(ユニディ)で買ってきた缶スプレー塗料です。
しかし吹いてみてビックリ。匂いや塗膜の質感が高性能(有害)なサフとほとんど同じ!
缶の説明書きをよく見てみると成分にはニトロセルロース、そして「危険」と銘打たれた項目が何個も書かれていました。
ニトロセルロース(硝化綿)が入ってるのがいいんすよね〜(身体には良くない)。
耐久性や耐黄変性もあるのに安かったけど、扱いやすさも兼ね備えてました。
したがって隠蔽力もかなりのもので、もしかしたら白サフも必要なかったのかもしれません(この塗料自体がサフとしても使えそう)。
あ、でもそうすると1本じゃ量が足りなくなるか。

塗装完了〜↓
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今回はクリアーは吹きません。
なぜならビンテージメットも大概そんな感じだから(笑)。
旧車の純正塗装もそうですが、現在の高性能塗料とは違うツヤ感というか、ギラギラなツヤではない感じがするんです。
この本塗装も上手く塗りすぎるとけっこうハッキリとしたツヤが出てしまうので、わざとゆず肌が残るような塗り方にして緩いツヤにしました。

塗装が終わったので組み付けに入ります。
まずはスナップファスナー。
元から付いてたものは肉厚もあって丈夫そうなものなんですが、カシメ部分を切削して短くなってしまったので再利用は不可能。
なのでこれまた手芸屋でも売ってる肉厚の薄いスナップファスナー(以前買ったものがたくさん残ってた)を使うわけですが、これに付いてるカシメも短すぎてメットには使えません。
そこでネジ止め方式にするわけですが、スナップファスナーの凹みにスッポリ入る頭径でM5ネジでステンレスってのが無い!
ネジ径を細くすれば使えそうなものもあるんですが、スナップファスナーの「バチンバチン!」に耐えられる強度を考えると最低でもM5は欲しいかと。
キャップボルトなら頭径はいけそうなんですが、頭高があるので使えず(高さを削れば使えそうだけど、削る分が多くて工作機械無いと無理)。
そこで見つけたのがこのネジ↓
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「超極低頭小ねじ」というらしいです。これもユニディにて購入。
これなら根性旋盤で径を小さくできる!と購入してやってみました根性旋盤。
ちなみに根性旋盤というのは、手持ちドリルに取り付けて高速回転させた対象物にヤスリを当ててギュイーンと削ることをぼくが勝手に命名したものです。
上記写真の黒いドリル先端に付いてるネジが根性旋盤後のネジ。下に置いてあるのが元の状態。
ネジをドリルに取り付ける際は、ダブルナットを付けてネジ山が傷まないようにします。

そんな感じでスナップファスナー取り付け完了〜↓
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ネジがスナップファスナーの凹みにちゃんと収まっているのがおわかりいただけたでしょうか。

次はリムの取り付け(縫い付け)。
元の状態ではミシンで縫ったような縫い方で、手縫いではどうやったらいいのかわからなかったので、端から端まで並縫いして折り返して並縫い、という縫い方にしました(それ以外の縫い方を知らない)。
糸はとりあえず元々の丈夫なヒモを使用。長さが足りなかったら買ってきた糸でやり直すつもりでしたが十分足りました(なぜかかなり余った)↓
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リムも元々の穴を使ったのですが、場所によってはリムを強く引っ張って縫う所もあり「これ大丈夫か?」と思いながらやってましたが、なんとかキレイに元通りになりました。

最後に内装とベルトを取り付けて完成〜↓
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ちなみにDカンの付いてる方のベルトは元々はなにやら英語のロゴみたいな印刷(DAMMTRAXとか書いてあったのかな?よく覚えてない)が施されていたのですが、それがあまりかっこよくなかったので、タックインガレージの店長が夜逃げする前にくれた本革ベルトを使用(80万円返せ)。
反対側のベルトは行方不明とのことでもらってなかったので、Dカン側だけ交換という形に。反対側のベルトはフェイクレザー。
あと、後ろ下部にあるゴーグルストラップを留めるベルトのスナップファスナーも、元はダムトラックスの今風なロゴがプレスされていたので、手芸屋の無地白のものに交換してあります(笑)。

いや〜なかなかいいんじゃないでしょうか。と久々に自画自賛が炸裂。
posted by 文鳥 at 09:28| 東京 ☀| Comment(0) | バイク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする