ちなみに20年以上前ですが、ナンニーニというイタリアメーカーのメガネレンズ装着型ビンテージゴーグルを使ったり、オフ用ゴーグル(SWANS)にそのナンニーニのメガネレンズを移植したりしてたんですが、このレンズを収めるフレームのマウント部分が掃除等のメンテを考慮してなのか上だけにしかなく、パカパカ動いてしまいゴーグルが傷だらけになってしまったりするので下にポリパテで押さえ部品を自作したりと、当時からメガネ関連でも試行錯誤していました。
もちろんそのポリパテ部品は経年劣化で割れてしまい今は使えず(ナンニーニゴーグルも事故で潰れちゃってメガネレンズのみ現存)。
そもそもオフ用ゴーグル(またはそれに準ずる樹脂とスポンジで作られたゴーグル)ってのが交換前提な出来なのが気に食わず、またナンニーニやハルシオンみたいなビンテゴーグルにしようかと思ったんですが、とりあえずなにか使えそうなものがないか近所のナップスに行ってみました。
そこで発見したのがこれ↓

安っすいサングラス。半額セールで1,320円。
これだけ面積広くて湾曲してれば防風パッド仕込むのも簡単そうだなと判断。
形も最近のスポーツグラスみたいに近未来的な形じゃないし。
早速これを眼鏡市場に持っていってメガネレンズ入れてもらおうとしたんですが、店員さんはこれを見るなり「これは無理ですね…」と言う。
しばらく考えてこのサングラスと同じ大きさでメガネレンズだけ作ってもらえれば自分でなんとかマウントさせることができそうな気がしたので、その旨を伝えるといささかめんどくさそうに「いや〜それも無理ですね」とほぼ門前払い。
昔作ったメガネはこれより湾曲してたけど作ってもらえたんだけどなぁ〜。フレーム材質が無理なのかな?
ていうかフレーム関係なしに同じ大きさのレンズだけ作ってくれりゃいいって言ったんだけど、意味伝わってなかったのかなぁ。
まぁぼくも面倒になってあっさり断念。
帰宅後に「そういや昔使ってた湾曲したメガネどこいったかな?」と部屋中捜索すると出てきました↓

記憶では安もんのメガネかと思ってたんですが、よく見たらレイバンのBalorama RB4089というちゃんとしたメーカーのモデルでした(改造前の写真撮ってなかったので販売サイトより純正状態の写真を拝借)。
これならすでに度付きレンズ入れてもらってたのでこのまま使えます。
ただフレームが肉厚でかなり重いのが欠点。
早速改造開始。
まずフレーム裏の面をスポンジを貼りやすくするために平滑化&面積拡大します↓

写真は加工前の状態。
妙に3次元的面構成なので、このままだとスポンジが貼りにくそう。
レンズに傷つけないように外して切削加工↓

このメガネの場合、レンズはフレームを暖めなくても簡単に脱着できました。
仕上げに鏡面加工でテカテカにするので表もやったんですが、リューターの軸が当たってしまい傷ついてしまいました…まぁいいや↓

裏面切削の際に軽量化も兼ねて肉厚も薄くしようと思ったんですが、下手するとレンズが保持できなくなりそうだったので、ほとんど軽量化せず。
ホムセンで買ってきたスポンジを瞬着で貼り付けてフレーム完成↓

最初はスポンジに付いてた粘着テープをそのまま使おうと思ってたんですが、いざ貼ってみたら全然粘着が弱くスポンジからも剥離してしまったので、手持ちの強力な両面テープを使おうとしたらこれも受け付けず。
ちょっと瞬着がはみ出して汚くなってしまいましたが、どうせ誰もそこまで見ないのでそのまま(笑)。
裏面から見た図↓

何度も顔に当ててみて、正面からの扇風機の風が漏れて目に入らないかチェックしながらスポンジの干渉部分をハサミで切削。
これでほぼまんべんなく目の周りを密封することができるようになりました。
体温による曇りを防ぐために曇り止めも塗布しました。
巷で売られているパッド付きのスポーツグラスも、似たような感じでフレーム裏にスポンジパッドが貼ってあるものが多いんですが、もれなくどれもパッドが薄すぎる上に、一番重要な目頭近辺の防風効果が皆無なのでバイクには使えないと思います。
こうなるともう水中メガネでいいようにも思えますが、あれはレンズ部分が小さすぎて明らかに「水中メガネ」って感じでカッコ悪いんすよね。
というわけで巷には理想的なものが存在しない以上自分で作るしかないとなるわけです。
次にツルの部分の改造。
純正状態だと長過ぎてメット内装に干渉してしまい、理想の位置に収まらないのでツルを短縮↓

昔使ってた時にすでに短縮してたんですが、メットが変わったせいかそれでも長かったのでさらにカットしました。
これもメガネっ子あるあるだと思いますが、市販の一般的メガネはツルが長すぎるんすよね〜。
まぁその方がホールド感は上がるんだとは思いますが、メットかぶるとこれがけっこうウザい。
熱かけて頭の形に沿って曲げるという手もあるかと思いますが、内装の圧迫で痛くなるのがありありと想像できるので、やはりカットするのが一番かと思いました。
短縮したツルをフレームに取り付けてメットをかぶってしばらくそのまま過ごして着け心地テストしてみると、ツルがメットの内装に押されているのか、ツルの幅が狭いのか、頭が太ったのか、次第に側頭部が痛くなってきました。
そこでツルの厚みを削減↓

上が元の状態。下が切削後。
この点はベルトが外側に出るゴーグルの方が快適ですね。
ツル2本とも薄肉化した後装着テストして、大丈夫そうだったのでバフがけして終了↓

この数日後、100km以内だったと思いますが実際に使用してみるとけっこういい感じでした。
ただ、真冬はやっぱりゴーグルじゃないと顔が寒くなりそうな気がします。
やっぱり素直にゴーグル新調すること考えるか…。
一方バイクの方はというと、前回遠出してから約1ヶ月ほど放置したまんまでしたが、幸い塩カル水には会わなかったようで汚れ部分は錆びてませんでした↓

もちろん周辺部品全部はずしてお掃除。
ところがエキパイはパッと見錆びてないように思えたんですが、見えにくい下面にはすでに赤錆が発生していました↓

これは以前の塩カル被害とはまた別なような気がします。
もしかしたらブラストが甘かったんじゃないかな…という気も無きにしもあらず。
穴が開くほどになったらエキパイ作り直しってことになりますが、まぁまだまだ使えるかな。
花咲かG処理しとこうかな。
あとエキパイから拡張室に切り替わるあたりもこのような錆が…↓

これは塩カルの拭き残しがあったのか、それとも自然に発生したものなのか、よくわかりませんが細かいひび割れもあるのでやはり下地処理で抜かりがあったんではなかろうかと疑ってしまいます。
やっぱ西村コーティングのレーシング1000の方が良かったかな…。
ホントは1から10まで全部自分で施工するのが確実なんですが、専門施設(ブラストや焼付け)が無いとできないのが悔しい。
家が一戸建てだったらなぁ〜と常々思います。
他にこんなところにも錆が…↓

も〜ホント錆って憎たらしいわ〜。
ここも花咲かG処理でなんとか抑えられるかなぁ。
あと毎度おなじみとなりましたクラッチレリーズ調整部分からの漏れチェック↓

やはり長期間の放置で滲んでくるようです。
ここも早いとこシール交換しないとなぁ。
車体全体をチェックがてら掃除して、パーツを元に組み付けしている時「これ必要無いんじゃねーの?」という部品を発見↓

フロントフェンダー裏の鉄フレーム。
後年のオフ車はほぼこういうフレームは無くてプラフェンダーを直に取り付けています。
別に軽量化したいわけではなく毎度の掃除が面倒ってのと、いつかまた錆びそうなので、このフレームは除外。
あ、でも今思ったけど、ラバーマウントしないとヤバい気がする…今度やっておこうかな。
掃除もチェーンオイルの塗布も終わったので、前々からやろうと思ってたブレーキシューの交換をします。
ドラムブレーキはディスクブレーキのように車体にホイールが付いたままの交換ができないので、車体をジャッキアップさせる必要があります。
以前リアサス交換の際に使った油圧ジャッキに加えてウマも使ってジャッキアップしてリアタイヤを外します↓

けっこうドラムブレーキって面倒だなぁと思いますが、見た目はドラムの方が好きなんすよね〜。
ドラム内部のアップ↓

あれ?まだ使えそうなくらい残ってるように見えます。
新品シュー(上)と比べてみるとこんな感じ↓

確かに減ってますが、まだいけそうな気がします。
しかし、ブレーキワイヤーの調整ネジは目一杯締まった状態(ペダル踏み込み量も多い)なのでやはり交換ってことなんでしょう。
よくよく見るとシューのベース部分が凹んでいるのでその分シューが厚く見えるわけで、見た目より寿命は少ないのかもしれません。
いざ新しいシューを組み込もうとしたら、片方のハマりがやたら硬い。
よくよく調べてみると写真の矢印部分に派手なバリが出ていたので、部屋に持っていってリューター&ダイヤモンドカッターで切削↓

すんなりくっつきました。
そしてリアタイヤを車体に取り付けて「次はフロントだ〜」なんて思ったら地面にワッシャーと割りピンが落ちている。
「これどこのワッシャーだ?」としばらく考えてみると、どうもシュー組付け時に入れる押さえワッシャー以外に思いつかない。
「めんどくせぇ〜!!」と思いましたがこれは着けないと怖いので再度リアタイヤを取り外し。
これがそのワッシャーの入る部分(写真下)↓

写真上がワッシャーと割りピン。
ホント、ディスクブレーキのパッド交換って楽だったんだなぁと痛感。
そして再度リアタイヤを取り付け、ブレーキをホールドするロッドを取り付けて、ナットを締めた後にボルト部分に割りピンを挿すんですが、この割りピンがなっかなか入らない。
ボルトを外して割りピンの入る穴をよく見てみると…なんか割りピンより細い…。
もうなんか嫌な予感しかしないんですが、その予感は的中。
ブレーキシューの押さえに入れたワッシャーを留める割りピンと入れ違いになってしまった模様。
「んんんんぬぉ〜〜〜!!」とイライラが爆発しそうになりましたが、落ち着いて考えました。
もう腹立ったので意地でもリアタイヤはバラさずに、このボルトの穴を拡大することにしました↓

ここが問題のブレーキ押さえロッド(勝手に命名)の取り付け部分。
拡大といっても0.5mmほどで十分でした。
そもそも割りピンの見た目がほっとんど同じに見えるくらいの差しかないってのもなんだかなぁ〜。
純正でこんな仕様だったのかな?だとしたらバカっぽいなぁ。同じピンにすりゃ効率的なのに。
というわけで次はフロント。
ところがリアを上げるのは簡単だったんですが、フロントを上げるのに一悶着。
エンジン下で水平になっている部分が少なく、前の方は全部斜めになっているのでジャッキをかけても「ガスッ」と外れてしまいます(エンジン部分は強度の低いアルミやマグネシウムなのでジャッキはかけられない)。
仕方ないのでいつもジャッキを掛ける部分(エンジン後端下あたりのフレーム)でジャッキアップさせて、ウマをその前に入れて少しづつ上げるしかありません。
もう一人人間がいればリアを押さえてもらってフロントを浮かすこともできるのに、と思った時「重りを後ろにかければいいんでない?」と思いつきましたが、周辺にそんな重い物は無く諦めました。
とにかくジャッキとウマだけでなんとかフロントを上げてホイールを取り外し↓


リアと同じくパッと見まだ使えそうですが、やはりよくよく観察すると使える厚みはそれほど無いようです。
もう夕暮れ近いのでテキパキと組み付け、ホイールをフォークに取り付けます。
ちなみにこのフォークのアクスルシャフトもまた旧車らしい、ちょっと複雑な構造になってまして「この部品必要か?」という感じになってます。
さらにスピードメーター用のギア部分も、どうやって位置を保持しているのか謎なんです↓

普通はフォークに突起があってギア部分がそこに引っかかって回らないようになっているのですが、このフォークにはそういった部分が一切ありません↓

でもシャフトを締めていくとちゃんと定位置に固定されるんです。
写真をよく見るとギア部分に一部平らになっている部分があるので、おそらくここがフォークの下ブラケットかなにかで押さえられて固定されるのかなぁと思いますが…そんなんで大丈夫なんだろうか。
これでフロントも終了〜!と思いきや、足元には見覚えのあるワッシャーと割りピンが…うぬぉおおお〜〜!また同じ失敗をしてしまった!
そうです、またしてもブレーキシューの押さえワッシャーを入れ忘れたのです。
こうなるとまたホイールを取り外さないといけません。腹立つ〜〜〜!!
夕暮れ間近で焦っていたのもありますが、やっぱりこういう作業は落ち着いてじっくりやらなきゃダメですね…ガレージさえあればなぁ…。
そして再度バラして組み付けて、いざフォークにホイールを付けようとしたら今度はなかなか上手く入らない。
ガタガタとホイールの角度を変えたりフォークをグリグリ回したりしていたその時…!車体がグラッと動いたかと思ったらガッシャ〜〜ン!!とぶっ倒してしまいましたぁあああ〜〜ん(泣)↓

ジャッキの頭が小さく滑りやすいってことと、掛ける部分がほとんど無いってのが原因でちょっとガタガタやったら外れちゃったんすね。
ガソリンタンクの蓋からはポタポタガソリンが漏れてるし、車体持ち上げたところでどうやってフロントホイール取り付けすんだよ!とちょっとパニックに。
いっそこのままホイール入れちゃえば楽かな?と思いましたが、フォークはハンドルの影響でタイヤが入らない角度に固定されたまま。
これをホイールが入る角度にするには重たい車体をかなり持ち上げなければなりません。
そこでフレーム横にジャッキをかけて持ち上げようとしましたが、ホイールが入る角度になるまで上げることが出来ずに断念。
そんなことやってたらこの階段の住民の方が帰宅されて大回りに階段に入るという、非常に迷惑な感じになってしまいました。
たった1個のワッシャー入れ忘れただけでこの惨状。
2度もワッシャー入れ忘れたこのクソ脳みそぶっ潰したくなります。
もう寝転したままでは埒が明かないと判断して一旦フォークを地につけた状態で引き起こします(よくフォーク下端のボルトが曲がったりしなかったなと、たった今気が付きました)。
そこでじっくり考えまして、まずジャッキがかかる場所を少しでも増やすためにアンダーガード(スキッドプレートともいう)を取り外して、ジャッキでサイドスタンドの反対側あたりを持ち上げて、ある程度持ち上がったところでサイドスタンドをかけて(それまではフォークだけで自立していた)ウマを入れてジャッキを抜いて、別の部分にジャッキをかけて少しづつアップ。
別の部分に2本目のウマを入れてさらにジャッキアップ、ウマを伸ばす、ジャッキアップ、ウマ伸ばす、の繰り返しでやっとフロントホイールが入る高さにまでジャッキアップすることに成功。
今度はジャッキやウマが外れないか念入りに確認してホイールを取り付け。
やっと作業終了しました。
辺りはすっかり日が暮れて手元がハッキリ見えないくらいに暗くなっていましたが、ここはガレージではないので工具も全部片付けないといけないのがまた面倒。
次フロントをジャッキアップさせるまでに背の低めなレーシングスタンド買っといた方が良さそうです…。
なんか最近、センタースタンドのある旧車ほしくなってきました(笑)。
ちなみに転倒によるダメージは右グリップ末端が少し傷んだくらいで済みました。
後日100km以内ですが走行しまして、前後ブレーキも含め各部全く問題無し。
エンジンは相変わらず快調で始動性も良好。
単気筒オフ車はちょっとやそっとじゃ派手に壊れないのがいいですね。